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個人の力だけでは勝てない、チームとしての総合力が勝負のカギを握る400mリレー

400mリレー(4x100m)のルール


andreas NによるPixabayからの画像

400mリレー(4x100m)とは

400mリレーは、4人の選手が100mずつバトンを繋ぎながら合計400mを走ってタイムを競います。
形式としては『100m×4』なのですが、バトンを繋ぐには受け渡し場所が設定されているのではなく、受け渡し区間(テイクオーバーゾーン)が設定されているので、実際には90m程度しか走らない走者、逆に110mを越えるほど走る走者があり、単純に1人が正確に100mを走るということではない、ということがこのリレーという種目の面白さ・特徴でもあります。
リレーという種目は、ほとんどが個人種目である陸上競技の中では珍しい団体種目で、この400mリレーは短距離走では100m走に並ぶ人気種目です。
バトンを繋ぐ際、第二走者以降は助走をつけた状態でバトンを受けるため、通常は単純に100mの記録を足した記録より速い記録が出ます。
※100m走が10秒ジャストの選手4人でのリレーの場合、単純に計算すると100m10秒×4人=40秒となりますが、実際には40秒を切って39秒台やそれを上回るタイムが出てきます。
第一走者と第三走者は曲線路、第二走者と第四走者(アンカー)は直線路を主に走りますので、その走路の得意な選手の配置や、走者同士のバトンの受け渡し技術が重要となってくる、戦略と技術の必要な種目です。
陸上競技としては『400mリレー走』と表記するのが正しいのですが、一般的には『4x100m』『400mR』、または『4継』などと表記されることが多くあります。

各走者の走る区間とテイクオーバーゾーンについて

この400mリレーは下図の線を繋ぐように4人の選手がバトンを繋いで走ります。
第一走者はから、第二走者はから、第三走者はから、第四走者はからの各区間、それぞれ100mを走るのが基本です。
各走者の走る距離とテイクオーバーゾーンについて
はスタート地点、はスタートから100mごとに記された基準線、の縦線はゴールを示しています。
しかし、この400mリレーには『テイクオーバーゾーン』と言われるバトンの受け渡し区間が設定されており、バトンはこの区間内であればどの位置でもバトンを受け渡すことが認められています。
つまり、バトンの受け渡し位置のよって各走者の走る距離が異なってくるのです。
テイクオーバーゾーンとは前走者と次走者がバトンを受け渡すことが出来る区間のことです。
上に示した図のがスタートから100mごとに記された基準線で、この基準線の手前(前走者側)20m、基準線の後ろ(次走者側)10m、計30m(で記したライン部分)がテイクオーバーゾーンとして認められています。

バトンの受け渡しについて

バトンはテイクオーバーゾーン(※以下『ゾーン』)内で受け渡さなければいけません。これは選手の位置ではなく、バトン全体の位置についてです。
ゾーン内にバトンが入っていれば、前走者がまだゾーンに入っていなくてもOKです。逆に、前走者がゾーン内にいても次走者がゾーンから出ていて、バトンをゾーン外で渡してしまうと失格となります。
バトンの受け渡しはリレーにとって重要なポイントですので、このゾーン周辺には不正行為をチェックするために審判員が配置されています。

バトンの受け渡し方

バトンの受け渡し方は大きく2つの方法に分けられます。まず1つめは『オーバーハンドパス』という方法で、次走者が上向きに広げた手のひらの上に前走者が置くようにしてバトンを受け渡します。この方法は比較的簡単に習得でき、両走者が腕を真っすぐ伸ばすようにして受け渡せるので、受け渡しの際に距離を稼ぐことができることから、現在では主流の方法です。
もう1つの方法は『アンダーハンドパス』です。この方法では次走者が下向きに広げた手のひらの上に前走者が下から差し込むようにしてバトンを受け渡す方法です。ひと昔前までは主流でしたが、習得するのが難しく、両走者が接近する必要があるため受け渡しの際に距離があまり稼げないこともあり、採用するチームは減ってきています。しかし、精度を高め熟練させていくとタイム短縮も可能であり、日本代表など個の力では劣るチームがこのアンダーハンドパスを採用し、ジャマイカやアメリカなど個の力の勝るチームと対等に戦っているという事実もあります。

オーバーハンドパス アンダーハンドパス
有利な点
・習得することが比較的容易
・選手同士が離れた状態で受け渡し可能
・動作に無理がなく受け渡しの際の減速が少ない
・熟練させるとタイム短縮が可能
不利な点
・動作に無理があるので減速してしまう
・バトンを落とす可能性が高い
・難易度が高く習得するのが困難
・選手同士が接近して受け渡さないといけない

バトンを落下させてしまった場合

バトンは手で持って走らなければならず、もしバトンを落下させてしまった場合は落とした選手が拾わなければいけません。
バトンの落下は主にバトンを繋ぐ際、つまりバトンを持っていた選手が次走者にバトンを渡そうとしている時に起きます。この場合、バトンはまだ繋がれていないので、バトンを落とした選手は次走者ではなく前走者になります。ですからバトンは前走者が拾わなければなりません。これを次走者が拾ってしまえば失格となります。
また、落下したバトンが隣のレーンに転がりでてしまった場合は、隣のレーンの走者の邪魔をしないように拾ってから、転がり出たところから自分のレーンに戻り、レースを再開させなければいけません。
初心者レベルであれば前方に転がり出たバトンを拾い、そのままの流れで前方の自分のレールに戻ってしまいがちですが、これは失格となりますので注意が必要です。

各区間走者に求められる能力

この400mリレーは各選手が100mずつ走るのですが、走る区間によって求められる能力が異なります。チーム戦術により違いもありますが、ここでは一般的なチームでの各区間走者に求められる能力をご紹介してみます。
第一走者
言うまでもなく、ですが(^^;、スタートの得意な選手が配置されます。また、曲線路を走りますのでコーナリングの技術も求められます。
第二走者
直線路がほとんどになりますので、100m走を本職としているような直線路の得意な選手が配置されます。また、テイクオーバーゾーンを利用して100mより長い距離を走ることが多く、チームのエース級の選手が配置されることもあり、近年では重要な区間として位置づけられています。
第三走者
曲線路がメインなのでコーナリングの得意な選手が入ります。また、バトンを受け取り、そして受け渡す、バトンを繋ぐ技術も求められます。(第一走者も曲線路を走りますが、第一走者はバトンは渡すだけなので、この第三走者の方がバトンに関しての技術が必要となります)
第四走者
直線路に強い、チームのエースが一般的には入ります。この第四走者で勝負が決まりますので、終盤の競り合いにも勝てるような精神力の強さも求められます。
このように、区間によって求められる能力が異なります。
第一走者と第三走者は同じ曲線路がメインですが、それぞれコーナリングの技術は基本、それに加えて第一走者はスタートの技術、第三走者はバトンを繋ぐ技術が求められます。
第二走者と第四走者は直線路がメインとなり、直線の速さはもちろん、第四走者はそれに加えて精神力の強さが必要となります。
このような各区間の特徴を知っておいていただくと、観戦する際の楽しみもまた増すのでは、と思います。(^^)

男子400mリレー 国別歴代5傑

タイム 国籍 名前
1 36秒84 ジャマイカ ネスタ・カーター/マイケル・フレイター
ヨハン・ブレーク/ウサイン・ボルト
2 37秒38 アメリカ合衆国 マイク・ロジャース/ジャスティン・ガトリン
タイソン・ゲイ/ライアン・ベイリー
3 37秒47 イギリス チジンドゥ・ウジャー/アダム・ジェミリ
ダニエル・タルボット/ネサニエル・ミッチェル・ブレーク
4 37秒60 日本 山縣亮太/飯塚翔太
桐生祥秀/ケンブリッジ飛鳥
5 37秒62 トリニダード・トバゴ ダレル・ブラウン/マルク・バーンズ
エマヌエル・カランダー/リチャード・トンプソン

女子400mリレー 国別歴代5傑

タイム 国籍 名前
1 40秒82 アメリカ合衆国 ティアナ・マディソン/アリソン・フェリックス
ビアンカ・ナイト/カーメリタ・ジーター
2 41秒07 ジャマイカ ベロニカ・キャンベル=ブラウン/ナターシャ・モリソン
エレーン・トンプソン/シェリー=アン・フレーザー=プライス
3 41秒37 東ドイツ ジルケ・グラディッシュ=メラー/ザビーネ・リーガー
イングリット・アウアースバルト/マルリース・ゲール
4 41秒49 ロシア オルガ・ボゴスロフスカヤ/ガリーナ・マルチュギナ
ナタリア・ポモシュチニコワ=ボロノワ/イリーナ・プリワロワ
5 41秒77 イギリス エイシャ・フィリップ/デシリー・ヘンリー
ディナ・アッシャー=スミス/ダリル・ネイタ

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